海外取引に消費税はかかる?課税・非課税対象となるケースについてわかりやすく解説

Yumiko Kijima

海外向けに商品を販売したり、海外のクライアントの給料を支払ったりと、国境を超えたお金のやり取りで特に気になるのが消費税の取り扱いではないでしょうか?海外取引がある人は、税金をしっかり計算して損をすることがないようにしたいですよね。

この記事では、国外取引の消費税の取り扱いについて解説します。また、取引の内外判定に関しても見ていきます。海外売上がある人は必見です!

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目次 🔖

海外取引には、原則消費税はかからない

一言でいうと、海外取引には消費税はかかりません。¹

消費税の課税対象は、税法上「国内取引」と「輸入取引」の2つに定められており、日本国外で発生した取引に関しては消費税は課税されないことになっています。²

このうち、輸入取引は海外から商品を購入する取引のことを指します。これは分かりやすいですね。輸入の際には、消費税と関税の課税対象となります。

ややこしいのは、輸入取引以外の取引が国内取引にあたるか、国外取引にあたるかの内外判定です。

次に、内外判定の方法を見ていきましょう。

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国内取引か海外取引かはどう決まる?(内外判定)

お金のやり取りが日本国内と海外にわたっており、国内取引か国外取引かの判別が難しい場合は、次の方法で判定を行います。²

資産の譲渡・貸付の場合

取引が資産の譲渡または貸付にあたる場合、その資産の所在する場所が日本国内である場合は国内取引となります。

(例)海外の法人が日本国内の土地を購入した → 国内取引、課税対象

(例)日本国内在住の人が海外の不動産を購入した → 海外取引、非課税

※対象の資産が船舶、航空機、特許権等の場合は、それらの登録をした機関の所在地が国内であれば国内取引になります。

役務の提供の場合

支払いが役務の提供の対価として行われたものである場合、その業務がどこで行われたのかを見ます。日本国内であれば国内取引、海外であれば海外取引にあたります。

(例)海外在住のWebデザイナーに報酬を支払った → 国外取引、非課税

(例)日本で行われた講演会の外国人通訳に報酬を支払った → 国内取引、課税対象

業務がどこで行われたものであるか分かりにくい場合は、業務を提供する人の居住地によって判定します。

反対に、日本に住む人が海外のクライアントに対し、業務の報酬を請求する場合もあるでしょう。この場合、業務提供を行う。

さらに、インターネット経由で行われる**「電気通信利用役務の提供」**(例:電子書籍・音楽配信、広告配信、クラウドサービス、オンライン研修など)については、国境を越える取引において消費税の取り扱いが特殊です。

具体的には、以下のような区分で内外判定や課税方式が異なります。

  • 消費者向けの場合:役務の提供を受ける者の住所地等が国内にある場合に国内取引として課税対象となる。国外事業者が行う場合は、その国外事業者が申告・納税を行うか、一定の要件を満たすプラットフォーム事業者が納税義務を負う場合がある。(2025年4月からはプラットフォーム課税が導入されている。)
  • 事業者向けの場合:役務の提供を受ける国内事業者が、リバースチャージ方式により申告・納税を行う。

このため、特にデジタル関連のサービスを提供する、または受ける場合には、その取引が「電気通信利用役務の提供」に該当するかどうかを確認することが重要です。

輸出取引の免税

このように、取引の内外判定では資産や所在地や役務の提供を行った人の居住地によって判定を行うことが分かりました。しかし、内外判定で国内取引となったものであっても、輸出に関わる場合は消費税が免税になるという規定があります。³

国内取引であっても消費税が免税になるのは、主に

  • 国内からの輸出として行われる資産の譲渡または貸付け
  • 非居住者に対する役務の提供

の場合です。具体例を見てみると分かりやすいでしょう。

日本からECショップなどで海外向けに商品を販売している人もいるかもしれません。この際、取引は「輸出」にあたり、国内取引ですが消費税の免除の対象になります。

また、日本に住むフリーランサーとして海外クライアントからの仕事を請け負っており、報酬の請求を行うとします。業務が行われたのは日本であるため国内取引ですが、日本の非居住者に対する役務の提供であるため、免税となります。

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インボイス制度が海外取引に与えた影響

2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)は、海外取引にも以下のような影響を与えています。

【国外事業者からの仕入れ】

  • 国外取引(不課税取引)の場合:インボイス制度の影響はありません。
  • 電気通信利用役務(デジタルサービス)の提供を受ける場合:登録国外事業者から交付される適格請求書の保存が仕入税額控除の要件となる場合があります。

【登録国外事業者制度の移行】

従来の登録国外事業者制度は、インボイス制度へ移行されました。令和5年9月1日時点で登録されていた国外事業者は、同年10月1日に適格請求書発行事業者とみなされ、新しいインボイス番号(T+法人番号)が付番されています。

海外からの支払いをお得に受け取りたい?

上の例で見たように、海外から商品代金や給与の支払いを受け取る機会がある人も多いでしょう。

日本の銀行で海外からの送金を受け取ると、海外送金受取手数料がかかることが一般的です。

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Wise(ワイズ)の特徴

海外に友人や家族がいる人、海外のクライアントとやり取りすることが多い個人事業主やビジネスは、ぜひWiseの利用を検討してみましょう。銀行と比べて海外送金の受け取りにかかるコストと手間を大幅に削減できます。

まとめ

ここまで、海外取引には消費税がかからない、ということを見てきました。取引が国内取引または国外取引のいずれに該当するかは、お金の受け取り側または資産の所在地で判別します。また、国内取引であっても輸出に該当する場合は免税になることを覚えておきましょう。

海外とのお金のやり取りが多い人は、銀行を利用する代わりにWiseのように海外送金に特化したサービスを考えてみても良いですね。

海外取引に対する消費税についてよくある質問

Q1:海外での取引(国外取引)は、日本の消費税の対象外(不課税)になりますか?

A1:はい、原則として「国外取引」は日本の消費税の対象外(不課税)です。 ただし、取引内容が「国内取引」と判定されれば課税対象となります。

Q2:消費税法において、海外取引は「非課税取引」として扱われるのでしょうか?「不課税」との違いは何ですか?

A2:海外取引の多くは、消費税の課税対象とならない「不課税取引」です。 「非課税取引」は国内取引の一部を指し、「不課税」とは意味が異なります。

Q3:消費税の課税対象となる「国内取引」と「国外取引」は、具体的にどのように判定(内外判定)するのですか?

A3:資産の譲渡・貸付はその資産の所在地、役務の提供はその役務が行われた場所で主に判定します(内外判定)。

Q4:海外の顧客への売上(海外売上)や請求について、インボイス制度で何か気をつけるべき点はありますか?

A4:輸出取引や非居住者への特定の役務提供は、インボイス制度下でも引き続き適格請求書の交付義務が免除されます。ただし、海外事業者でも日本国内での課税仕入れに係る消費税の仕入税額控除を受ける場合などには影響があります。

Q5:日本から海外売上があった場合、仕入れにかかった消費税の還付は可能ですか?

A5:はい、輸出取引は消費税が免除されるため、仕入れにかかった消費税額は適切な申告により還付を受けられます。

Q6:海外のクライアントに役務提供(サービス提供)を行った場合、消費税の扱いはどうなりますか?インターネット経由の場合は?

A6:サービスの提供地で判定します。海外での提供なら日本の消費税は不課税、国内での提供(非居住者向けは免税の場合あり)なら課税です。デジタルサービスの内外判定には特に注意が必要です。

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ソース

  1. No.6210 国外取引|国税庁
  2. 2 どんな取引が課税対象?
  3. No.6551 輸出取引の免税|国税庁

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