マレーシアのデジタルノマドビザの取得ガイド|必要書類や注意点、おすすめの都市など

Hikaru Osaka

マレーシアは、多様な食事を味わえるので日本人にも大人気の国です。日本よりも物価が低く、多文化を感じられる場所です。エンターテインメントも美しいジャングルやビーチなどの自然もあり、魅力に溢れています。そんなマレーシアでも、デジタルノマドビザを取得できるようになりました!

本記事では、マレーシアでデジタルノマドを取得する方法やプロセス、必要書類、費用、注意点についてまとめています。さらに、マレーシアでデジタルノマドをする上でのメリットデメリット、おすすめ都市やコワーキングスペースについても触れています。お得に支払いができるWise(ワイズ)も紹介しています。

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目次 🔖

マレーシアのデジタルノマドビザについて

マレーシアのデジタルノマドビザは、DE Rantau Nomad Passと呼ばれるものです。リモートワーカー向けのマレーシア長期滞在ビザです。マレーシアの政府機関、MDEC(Malaysia Digital Economy Corporation)によって、2022年10月1日に導入されました。¹

マレーシアでデジタルノマドビザが発行されるようになった背景

これまでデジタルノマドは90日間までしかマレーシアに滞在できませんでしたが、このビザをきっかけに最長2年間滞在できることになりました。マレーシア内のデジタル起業家のコミュニティを促進させる狙いでMDECがデジタルノマドビザを発行しました。デジタルノマドを支援するエコシステムを構築し、マレーシアの多様な魅力を探求しながらリモートワークを便利に行えるようにすることを目的としています。

さらに、マレーシアのデジタルノマドビザは、コミュニティ形成に力を入れています。コワーキングスペースイベントネットワーキングの機会を通じて、同じ志を持つ人々とのつながりを築くことができます。DE Rantauイニシアチブは、創造性とコラボレーションを促進するだけでなく、マレーシアの持続可能性と責任ある観光づくりに取り組んでいます。

対象者について²:

  • 技術職:ソフトウェアエンジニア、バックエンドエンジニア、UX、UI、クラウド、サイバーセキュリティ、ブロックチェーン、AI(人工知能)、機械学習、データ関連など)、デジタルマーケティング、デジタルクリエイティブコンテンツ、デジタルコンテンツ開発など、さまざまな領域のIT&デジタルプロフェッショナルであるデジタルフリーランサー、独立請負業者、リモートワーカー。
  • 技術職以外の職業に就いている者:最高経営責任者(創業者/常務取締役/社長)、最高業務責任者、事業開発(グロースマネージャー)、マーケティングマネージャー、最高財務責任者(CFO)、財務マネージャー/会計士、営業マネージャー、カスタマーサクセスマネージャー、人事マネージャー、法律顧問、広報マネージャー、コンサルタント、カスタマーサービスマネージャー/カスタマーサービス担当者/カスタマーサクセススペシャリスト、コミュニケーション&広報マネージャー、管理マネージャー、テクニカルライター、税務スペシャリスト、税理士、生産マネージャー、サプライチェーンマネージャー、または上記職種に相当する関連職種。

イスラエル国籍以外、すべての国籍の方が申請可能です。

ビザの有効期間²:3ヶ月から12ヶ月の滞在が可能。その後さらに12ヶ月更新することができ、合計24ヶ月の滞在が可能です。

入国回数:複数回の入国が可能

滞在可能期間:

DE Rantau Nomad Passを取得できればマレーシアに3ヶ月から12ヶ月の滞在が可能になります。一般的な観光ビザ(最大3か月まで)に比べると、長期滞在できることになります。そこからさらに申請すると12ヶ月更新することができ、合計24ヶ月の滞在が可能になります。

また、家族を含めて申請することができます。申請者の夫、妻、コモンロー・パートナー (事実婚)、 18歳未満の子供、養子、専門家が確認したハンディキャップのある子ども(年齢制限なし)を対象にすることができます。しかし配偶者はこのパスでマレーシア内で働くことはできません。

申請料金²:

  • 申請者:MYR1000.00
  • 扶養家族:MYR500.00
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マレーシアのデジタルノマドビザの申請方法・必要書類

マレーシアのデジタルノマドビザは、マレーシアに滞在していなくても申請することができます。²

ノマドビザ申請の流れ

  1. 必要書類の準備
  2. オンライン上で申請アカウントの登録
  3. 必要書類を提出
  4. 審査を待つ
  5. ビザの仮承認(eVisaの申請、マレーシア納税番号の登録など)
  6. デジタルノマドビザの取得

必要書類について²

デジタルフリーランス/個人事業主(特定の企業や場所に所属せず、フリーランスやプロジェクトベースでリモートワークを行う個人)の場合:

  • パスポート全ページ(空白ページが6ページ以上あり、残存有効期間が14ヶ月以上あること)
  • 最新の履歴書
  • 直近3ヶ月分の銀行残高証明書
  • 直近3ヶ月分の所得証明書または最新の確定申告書
  • 契約期間3カ月以上の有効なプロジェクト契約書(複数企業の契約書の組み合わせも可)
  • 個人保証書(所定の用紙に記入すること)
  • 犯罪経歴証明書(各国または現居住地の公的機関が発行したもの)
  • 最終学歴証明書
  • マレーシアで有効な医療保険加入証明書(扶養家族がいる場合は扶養家族の分も適用されていること)医療保険は、申請が承認された後、または有効期限3ヶ月以上のパスステッカー発行前に提出可能
  • マレーシア内国歳入庁の納税証明書

リモートワーカー(企業の従業員でありながら、リモートワークが可能な勤務体系を持つ個人)の場合:

  • パスポート全ページ(空白ページが6ページ以上あり、残存有効期間が14ヶ月以上あること)
  • 最新の履歴書
  • 直近3ヶ月分の銀行残高証明書
  • 直近3ヶ月分の所得証明書または最新の確定申告書
  • 直近3ヶ月分の給与明細書
  • 契約期間3ヶ月以上の有効な雇用契約書
  • 犯罪経歴証明書(各国または現居住地の公的機関が発行したもの)
  • 個人保証書(所定の用紙に記入すること)
  • 最高学歴証明書
  • マレーシアで有効な医療保険加入証明書(扶養家族がいる場合は扶養家族の分も適用されていること)医療保険は、申請が承認された後、または有効期限3ヶ月以上のパスステッカー発行前に提出可能
  • マレーシア内国歳入庁の納税証明書

デジタルノマドビザ申請においての注意点²

デジタルノマドとして仕事ができることを証明する書類を準備する必要があります。こちらもデジタルフリーランスと会社所属のリモートワーカーによって異なるのでご確認ください。

デジタルフリーランス・個人事業主の場合:

  • アクティブなプロジェクト契約
  • 契約期間>3ヶ月、複数契約可
  • 顧客は地元企業、外資系企業のどちらでも可

リモートワーカーの場合:

  • アクティブな雇用契約
  • 契約期間3ヶ月以上
  • 雇用主は外資系/非マレーシア系企業

最低年収が条件として記載されています。テック事業者の場合24,000USD以上(354万円以上)、テック事業者でない場合は、60,000USD以上(885万円以上)の年収があることを証明する必要があります。(Wiseによる2025年08月13日ミッドマーケットレート)

マレーシアのデジタルノマドビザにおける税金事情

1967年の所得税法によると、マレーシアでは1年間に182日以上滞在する場合には居住者とみなされ、マレーシアでの納税が必要になります。 注意しなければならないのは、マレーシアの居住税は国籍ではなく、物理的に滞在しているかどうかによって決定されます。

以下の基準のいずれかを満たせば居住者となります。³

  • 年間カレンダー年(1月1日~12月31日)に182日以上マレーシアに滞在している場合
  • 182日に満たないが、前年または翌年に182日以上の連続滞在がある場合
  • 90日以上×3年分の滞在がある場合
  • デジタルノマド取得年に居住していなくても、前年3年間居住者として生活し、その翌年も居住予定である場合

二重課税にならないよう、マレーシアの外国所得税免除(Malaysia's Foreign Income Tax Exemption)を使うなど対策を行いましょう。不安な方は、マレーシアの税務専門家に相談しましょう。

関連ページ 💡 マレーシアの所得税を徹底解説:外国人の税率や計算方法

マレーシアでのデジタルノマドおすすめの都市

デジタルノマドにおすすめなのは、マレーシアの主要都市です。信頼性の高いインターネット設備が整っており、街のライフスタイルを楽しみながら仕事を行うことができます。 

クアラルンプール

マレーシアのノマドにおすすめ:クアラルンプールについての画像

マレーシアの首都、クアラルンプールはモダンとレトロが混じり合う多様性に満ちた都市。多様なグルメ、エンターテイメントに溢れています。交通手段は電車(LRT、MRT、モノレール、KTMコミューター)、市内バス、タクシー、無料循環バスなど、選択肢が多いので移動に困ることはありません。⁴ 物価コストは住居、食事、交通を含めると日本よりも低く、コストパフォーマンスが高い都市でもあります。また、カフェで無料WiFiが使える上、高速インターネットを低価格で利用できます。コワーキングスペースも充実しているため、リモートワーカーにとって働きやすい環境が整っています。

ペナン

マレーシアのノマドにおすすめ:ペナンについての画像

美しいビーチの近くでリゾート気分を味わいたいならペナンがおすすめ。ペナン大橋を渡れば辿り着く島になっており、ペナン国際空港も利用できます。⁵ 食事の種類が豊富でおしゃれなカフェも多く、無料で高速WiFiが使えることからデジタルノマドにも人気。アートやカルチャーを感じる世界遺産の街並みで、クリエイティブなインスピレーションを得られます。また、治安面は東南アジアでも良く、生活費はクアラルンプールより約2割安く、手頃なコストで住めるのも魅力の一つです。

ジョホール/ジョホール・バル

マレーシアのノマドにおすすめ:ジョホール/ジョホール・バルについての画像

シンガポールのすぐ近くに位置する最南端のジョホールには、国際色豊かな町とのどかなビーチの風景を楽しめる独自の魅力があります。陸路で国境越えも可能。交通手段にも困らず、出張や週末のプチ旅行にも便利です。⁶ ペナンよりは生活コストがやや高めですが、コワーキングスペースが急増し、開発が進むビジネス都市になりつつあります。熱帯気候のマレーシアの中でも、風通しのいい地域です。

デジタルノマドがマレーシアで利用できるコワーキングスペース

Common Ground⁷

Common Grandは、マレーシア国内に多くのオフィスを構えます。店舗によっては、ショッピングモール内に位置する店舗オフィスもあります。コミュニティ構築に力を入れており、さまざまなプログラムに参加することが可能です。無制限のWiFiに加え、会議室やカフェなどの設備が整っています。

デイパス(1日利用):RM50(約1750円)

Colony(クアラルンプール)⁸

Colonyは、ラグジュアリーな雰囲気のあるおしゃれなコワーキングスペース。ソファや座り心地の良い椅子があったり、昼寝ルーム、プレイルーム、授乳室まで完備しています。デイパスの利用なら、平日9:00〜17:00(*The MET、 Mont Kiaraの場合は、8:30〜17:30)の間、オープンコモンエリアで自由に仕事をすることができます。イベントスペースを貸し切り、セミナーやカンファレンスをすることもできます。

デイパス(1日利用):RM68.04 (約2400円)

Masco Co-working Space(ペナン)⁹

Mascoは、ペナンで一番広い、超大型のコワーキングスペースです。ショッピングモールPragin Mallの中に位置し、設備が充実している上、安定したインターネットが使えます。ドリンク飲み放題もあり、持ち込みで食事を食べることができるスペースもあります。定休日なしで10:00~22:00まで利用できるのも魅力的。

デイパス(1日利用):RM30(約1040円)

  • 始めにRM50デポジットし、オフィス利用後に返金される仕組みです。

マレーシアでデジタルノマドをするメリット・デメリット

メリットデメリット
  • DE Rantauのメンバーとして認められ、さまざまなデジタルノマド向けの限定特典を受けることができる (厳選された地域サービス、割引券、最新情報、キャンペーン情報など)
  • 12ヶ月までの滞在、さらに更新を行うと最長で2年間、長期滞在することが可能
  • 家族のビザも取得可能:配偶者、事実婚パートナー、主申請者の両親、扶養家族の帯同が可能
  • ビザ申請に必要な年収はUSD24,000以上で、他の国の申請条件と比べて低め
  • DE Rantauプラットフォームと呼ばれるデジタルノマド専用のライフスタイルアプリが利用できる
  • 多民族国家なのでそれぞれの民族料理を楽しめる上、日本料理も食べれる
  • 182日以上滞在すると税金を支払う必要がある
  • 日本で税金を支払ている場合、二重課税を免除するために「外国所得税免除」の申請をしなければならない
  • 基礎的な英語力がなければ、コミュニケーションしづらい

さらに、2024年6月7日にはノマドビザの新しいカテゴリー「非デジタル分野リモートワーカー・フリーランサー(Non-Tech Talent/Profession)」の申請も開始されました。²

デジタル分野に関係なく、マネージャーレベルのポジションに就くリモートワーカーなら応募できるといった内容です。ただし、デジタルノマドビザよりも年収の条件が上がります。

対象者²:18歳以上、最低年収60,000USD(約900万円)または月収5,000USD(約75万円)

対象ポジション²:CEO (創業者/ マネージングダイレクター/ プレジデント), COO, 事業開発 (グロースマネージャー), マーケティングマネージャー、CFO、ファイナンスマネージャー/会計士、営業マネージャー、カスタマーサクセスマネージャー、人事マネージャー、弁護士、PRマネージャー、コンサルタント、カスタマーサービスマネージャー、コミュニケーション&PRマネージャー、アドミンマネージャー、テクニカルライター、 税理士、生産管理マネージャー、サプライチェーンマネージャー、またはこれらに関連する役職など。

ノマドビザ申請時の支払いやマレーシア滞在中の決済・送金の受け取りをお得に:Wise(ワイズ)

マレーシアでのノマドにおすすめのWise(ワイズ)について画像

マレーシア滞在中の報酬の受け取りや生活費の支払いに便利なのはマルチカレンシー口座のWise(ワイズ)です。口座開設から外貨両替、海外送金まですべてオンライン上で行えます。また、チームや税理士にアクセスを共有できるWise Businesも、デジタルノマドやフリーランスにもおすすめです。

そんなお悩みを解決できるのがWise(ワイズ)です。アプリ内で簡単に円をタイバーツに両替したり、WiseデビッドカードでATMからマレーシア・リンギットを引き出せます。しかもリアルレートを使用した格安手数料で取引ができます。

タイでWiseを使用するメリットは以下となります。

  • 150+ の国や地域でWiseカードを使った決済が可能
  • 40+種類の通貨でお金を同時に管理でき、いつでも日本円にも両替できる
  • 実際のレート(ミッドマーケットレート)かつわかりやすい手数料でフリーランスでの手取りを最大化できる
  • タイバーツを持っていなくても、手数料が最も安くなる通貨から自動両替・決済

Wise(ワイズ)アカウントを開設して、ノマドビザ申請時の支払いやタイに滞在中に発生する両替・決済をお得に完了しましょう!

⚠️ すでに日本でWiseアカウントをお持ちのお客様の場合、マレーシアの住所に変更された場合は、Wiseアカウントでの更新も必要になります。長期滞在の際には必ず更新するようにしてください。

まとめ

マレーシアのデジタルノマドビザ申請について解説しました。さっそくマレーシア滞在に向けて必要な書類やアプリを揃えましょう。Wiseアカウントを開設すれば、給与の受け取りや海外送金の際にもお得に利用できます。ついでに世界中のさまざまな国で利用できるWiseカードも発行し、便利な決済手段としてお使いください。


ソース
  1. 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用 | マレーシア - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
  2. DE Rantau - Foreign | MDEC
  3. [Attention Malaysian Citizens!] What Is Tax Residency Status?- L & Co Accountants
  4. クアラルンプール市内交通情報
  5. ペナンPenang
  6. ジョホール・バル | 【公式】マレーシア政府観光局
  7. Home - Common Ground
  8. Colony Coworking Space
  9. MASCO Co-working Space

*最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



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2025年1月23日 10分で読めます

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