フィンランド移住ガイド:ビザ・仕事・生活情報を徹底解説【2025年版】

Hikaru Osaka

フィンランドは、日本から最も近いヨーロッパの国です。国土の約7割が森林に覆われ、湖も多く、自然豊かな「森と湖の国」として知られています。温泉やサウナ好きの方にとっては「サウナの国」という印象があるかもしれませんし、キャラクターグッズや本が好きな方には『ムーミン』の国として親しまれているでしょう。

そんなフィンランドに移住する場合、生活費や移住にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。また、ビザにはどのような種類があるのでしょうか。

この記事では、フィンランド移住のメリット・デメリットをはじめ、ビザの種類や取得条件、生活費、仕事などの基本情報を総合的に解説します。さらに、移住時に役立つ国際送金サービスWise(ワイズ)についてもご紹介しますので、フィンランド移住を検討している方の参考になれば幸いです。

Wise(ワイズ)について知りたい 🌏

目次 🔖

フィンランド移住のメリット

フィンランドは世界幸福度ランキング連続首位の国です。充実した教育や社会保障制度の充実、仕事と私生活のバランスを取りやすいこと、自然豊かで心も豊かに暮らせる環境であることなどが主な理由です。

  • 治安が良く自然豊かな国である。平和な国で自然を満喫しながら生活できる
  • 物静かでパーソナルスペースが広い国民性なので日本人と気が合う。日本から移住しても馴染みやすい
  • フィンランドは教育費が原則的に無料¹。私立や大学も基本的に無料。一部有料でも支援や奨学金でまかなえることが多い。教育の質も高い
  • 手当や支援が手厚い。生活に困らない額の非雇用者手当(失業手当)を受給できる、など
  • 仕事と私生活のバランスが取りやすい。長期休暇を取得でき、16時頃になると仕事が終わるような職場環境である

フィンランド移住のデメリット

フィンランドはメリットも多く、日本人の移住先として魅力があります。

ただ、フィンランド移住にはデメリットもあります。

  • 日本と比べて人との距離感が大きく、初対面での雑談や世間話が少ないため、孤独を感じやすいことがある
  • ワークライフバランスが重視される一方で、職場での上下関係や丁寧な気遣いといった日本独特の文化が通用しないこともあり、働き方に戸惑う人もいる
  • 公用語がフィンランド語とスウェーデン語である²。英語も通じるが、日常生活や就職には現地語の習得が求められる場面が多い
  • フィンランドの医療機関は待ち時間が長い。特に公的な病院は受診のための事前予約や連絡など手間もかかる
  • 税金が高く、たとえばフィンランドの消費税(付加価値税)は24%と、生活コストに影響することがある³

フィンランド移住の条件とビザ

フィンランド移住に必要なビザと書類についての画像

フィンランド移住の主なビザの条件や特徴は次の通りです。

ビザ特徴や条件
ワーキングホリデーフィンランドのワーキングホリデービザは、18〜30歳で観光を主目的とし、十分な資金(約2,450ユーロ)と帰国航空券(または購入資金)、滞在期間中有効な医療保険を持ち、健康かつ犯罪歴がない人が対象。過去に同ビザを取得しておらず、扶養家族を伴わないことも条件。
家族滞在ビザフィンランド国籍者またはフィンランドに居住許可を持つ外国人と、配偶者や18歳未満の子どもなどが一緒に生活するためのビザ。申請者本人が申請を行う必要があり、一定の収入要件や家族関係の証明書類が必要です。
オペアビザ(au pair)⁶オペアビザは、17〜30歳の若者がフィンランドの家庭に滞在し、軽度の家事手伝いや育児補助(週25時間以内)を行いながら、フィンランド語やスウェーデン語、文化を学ぶ機会を得るためのビザです。滞在期間は最長1年間で、語学講座などへの参加時間を確保することがホストファミリーに求められます。就労ビザではないため、他の仕事をすることは認められていません。
就労ビザフィンランドで就労するために必要なビザで、雇用契約があることが原則条件です。職種に応じて複数のビザタイプがあり、特定のビザがない場合は一般的に「雇用者向け居住許可(residence permit for an employed person)」を申請します。適正な給与額が支払われることが必要で、雇用が終了した場合も一定の保護期間(3〜6ヶ月)が設けられています。ファストトラック制度を利用すれば、専門職や起業家などは2週間で許可が下りることもあります。
スタートアップ起業ビザ起業ビザ(スタートアップ起業家向け居住許可)は、日本人を含む外国人がフィンランドで成長志向のスタートアップ企業を設立・運営することを目的としたビザです。申請には、Business Finlandからの「適格性評価書(Eligibility Statement)」の取得が必須です。最初の許可期間は最長2年間で、その間の生活費をまかなえる十分な資金を持っている必要があります。ファストトラック制度を利用すれば、2週間で許可が下りる可能性もあります。

フィンランド移住での仕事事情

日本人がフィンランド移住する際は「現地で仕事をしながら生活したい」という方も多いことでしょう。

現地での働き方はさまざまです。現地企業に就職する方法や日本企業の駐在員として働く方法の他、リモートワークやフリーランス、起業といった働き方も可能です。

フィンランドの主要産業や人気のある仕事

フィンランドの主要産業は紙やパルプ、情報通信、電子機器、機械、金属などです²。フィンランド国内では主要産業に関わる仕事の求人が多い他、介護やサービス業、接客業、エンジニアなどの求人も多くなっています。

また、フィンランドは教育に力を入れている国なので、教師や教育機関、行政機関などの仕事求人もよく出ています。

日本人のフィンランド移住では、料理人、レストランのスタッフ、観光ガイド、翻訳者、日本人向けショップの販売員といった仕事が人気です。

フィンランド移住後の仕事で日本人に求められること

フィンランド移住後に現地の会社やお店に就職する場合、重要になるのが言語です。

フィンランドの公用語はフィンランド語やスウェーデン語です。英語が使われることもあります。現地で専門的な仕事に就きたい場合、こうした言語ができるかが問題になります。

フィンランド移住の生活費と準備すべき資金

フィンランドに移住した時に費用を確認している画像

フィンランド移住でかかる費用や生活費

フィンランド移住ではビザや航空機のチケット代、生活費などがかかります。

おおよその相場をご紹介します。

費用目安金額
ビザ数千円~10万円以上⁸

取得するビザによって金額が異なる

航空機のチケット代往復だと20万円~30万円くらい
生活費一人暮らしの場合、家賃含め1ヶ月€2,044(34万円)⁹
家賃市内中心部のアパートメント(1ベッドルーム):1,049ユーロ(17万円)⁹
食費一人の場合、 250~350ユーロ(4万円〜6万円)⁹
光熱費(ユーティリティ)
  • ユーティリティ(電気・水道など):約122ユーロ(2万円)
  • モバイルプラン(通話+10GB以上):約25ユーロ(4千円)
  • インターネット(60Mbps以上・無制限):約21ユーロ(3千円)⁹

フィンランドの各都市の賃料相場

フィンランドの地域によって賃料相場がかなり違います。

フィンランドの首都であるヘルシンキの賃料相場は以下の通りです:

  • 市内中心部のワンルーム(1ベッドルーム): 約1,050ユーロ(約17万円)
  • 郊外のワンルーム(1ベッドルーム): 約835ユーロ(約14万円)
  • 市内中心部の3部屋: 約1,774ユーロ(約29万円)
  • 郊外の3部屋: 約1,307ユーロ(約21万円)

その他の主要都市

  • タンペレ: ヘルシンキより約20~30%安い傾向
  • トゥルク: ヘルシンキより約25~35%安い傾向
  • 地方都市: ヘルシンキの約50~60%程度

2024年の高金利と経済減速の影響で、ヘルシンキの賃貸市場は変化しています。移民の増加により小さなアパートの需要が高まっており、現在ヘルシンキの移民の約80%が賃貸住宅に住んでいます。

家のタイプや立地、為替相場によって価格は変動しますので、最新の情報を確認することをおすすめします。

人気エリアの特徴

  • トゥールー: クラシックな建築とトレンディなカフェが特徴の活気あるエリア
  • カッリオ: クリエイティブで手頃な家賃の文化的エリア(若い専門職や学生に人気)
  • プナヴオリ: デザイン重視でアートギャラリーやブティックが充実

フィンランド移住の準備ステップ

フィンランド移住を成功させるためには、段階的な事前準備が重要です。以下のステップに沿って準備を進めましょう。

STEP1:基本情報の収集と計画立案(移住6~12ヶ月前)

  • 移住目的の明確化(就労、家族滞在、起業など)
  • 必要なビザの種類と取得条件の確認
  • 移住先都市の選定と生活費の試算
  • フィンランド語の学習開始
  • 現地の気候・文化・生活習慣を調べる

STEP2:ビザ申請と法的手続き(移住3~6ヶ月前)

  • 必要なビザの申請
  • パスポートの有効期限確認・更新
  • 各種証明書の準備(戸籍謄本、卒業証明書、職歴証明書など)
  • 書類の英語翻訳・アポスティーユ認証取得

STEP3:日本での手続き(移住1~3ヶ月前)

  • 転出届の提出
  • 年金・健康保険・税金の手続き
  • 銀行口座・証券口座の整理
  • 国際送金サービスを使う
  • 携帯電話の解約・海外ローミング設定

STEP4:渡航準備

  • 航空券の手配
  • 重要書類のコピー作成
  • 必需品の梱包

持参すべき重要なもの

  • 必須書類: パスポート、ビザ、各種証明書の原本とコピー
  • 金融関連: デビットカードまたはクレジットカード
  • 電子機器: スマートフォン、ノートパソコン、変換プラグ
  • 生活用品: 常用薬、眼鏡・コンタクト、日本の調味料や食材
  • 衣類: 防寒着(特に冬季移住の場合)

フィンランド到着後の最初のステップ(最初の2週間)

  1. 住居の確保: 一時宿泊先から長期住居への移行
  2. 個人ID番号(henkilötunnus)の取得: 銀行口座開設や各種手続きに必須
  3. 住民登録: 居住地の地方自治体(kunta)への登録
  4. 銀行口座の開設: 給与受取や家賃支払いのため
  5. 携帯電話契約: 現地での連絡手段確保
  6. 社会保障制度への加入: 医療保険、住宅手当、児童手当などの申請

中長期的な手続き(最初の1~3ヶ月)

  • 就職活動または就労開始
  • 語学学校への入学
  • 日本人コミュニティとの接触
  • 医療機関への登録
  • 子供がいる場合は学校・保育園の手続き
関連記事 💡 海外移住前にやっておきたい手続きを徹底解説!住民票や、銀行口座の扱いまで

Wiseを使ってフィンランド移住の費用をもっとお得に!

Wiseカードについての画像

フィンランドへの移住では、ビザ申請料、家賃の前払い、生活費の送金など、海外へのお金の移動が何度も必要になります。でも、普通の銀行で海外送金すると、高い手数料がかかったり、手続きが面倒だったりします。

そんな時に便利なのがWiseです。海外に住む人のために作られたこのサービスなら、実際の為替レートでお金を送れて、手数料も明確でわかりやすいです。

Wiseの特徴

Wiseは銀行よりもお得な為替レートを使っているので、海外との送金コストを抑えられるでしょう。フィンランド移住の準備費用や現地での支払いがどれだけお得になるか、ぜひ試してみてください!

Wiseがフィンランドに移住する人にこんなに役立ちます

  • お得な送金: 日本からフィンランドへの送金が銀行より安く、引っ越し費用や生活費の送金がグッとお得に。

  • 円とユーロを一つの口座で: マルチカレンシーアカウントで日本円とユーロを同時に持てるから、レートが良い時に両替できて便利。

  • フィンランドに行く前から現地口座のように使える: 実際にフィンランド移住する前でも、ユーロの口座情報をもらえるので、家賃の支払いや給料の受け取りがスムーズに。

  • 移住中の資金管理がラク: 日本在住時とフィンランド移住時、両方でお金が必要な引っ越し期間も、Wiseならどちらの国でもWiseデビットカードが使えて便利。

  • 家を買う時も大きく節約: フィンランド移住で住宅を購入する時の頭金送金や高額送金も、手数料が安いから数十万円も節約できることも。

  • スマホだけで簡単開設: 日本にいながらスマホだけで口座開設できるから、渡航前の準備がスムーズ。 \

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フィンランド移住のよくある質問

日本人のフィンランド移住でよくある疑問点をまとめました。

①フィンランドでの生活費は1ヶ月いくらですか?

フィンランド移住の生活費は住む場所によって大きく異なります。ヘルシンキの場合、単身者で月約2,044ユーロ(約344,000円)が目安です。これは生活費995ユーロ(約167,500円)と家賃1,049ユーロ(約176,500円)を合計した金額です。

地方都市(タンペレ、トゥルクなど)ではヘルシンキより20~40%安くなります。

②フィンランドに住んでいる日本人は何人くらいいますか?

フィンランドには2023年の時点で2,200人以上の日本人が住んでいます¹⁰。

③フィンランドの平均年収はいくらですか?

フィンランドの平均年収は約820万円になっています。日本より平均年収はかなり高めです。

④フィンランドは危険度が高い国ですか?

フィンランドは世界の中でも比較的治安の良い国です。

ただ、ヘルシンキなど大きな都市を中心に詐欺や置き引き、スリなどの犯罪が発生しています。治安の悪いエリアなどもありますので、フィンランド移住の際は事前に最新の治安情報・犯罪情報を確認しておくことがポイントです。¹¹

まとめ

フィンランドに移住する際は、まず現地での生活基盤をしっかり整えることが大切です。日本から十分な住居費や生活費を持参したつもりでも、実際に現地で暮らし始めてみると「想像以上に出費がかさんだ」「もっと日本の資産を移しておけばよかった」と後悔するケースも少なくありません。

そんなときに役立つのが、海外送金と複数通貨の管理に強みを持つWise(ワイズ)です。

一般的な銀行の海外送金は手数料が高く、生活費や資産の移転には不向きですが、Wiseなら実際の為替レートと明確な手数料で、低コストの送金が可能です。

さらに、日本とフィンランドの両方で使えるWiseデビットカードも発行できるため、現地での買い物や支払いもスムーズに行えます。

フィンランド移住を安心・快適に進めるために、Wiseを上手に活用して賢く資金管理を行いましょう。

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ソース

  1. 第2編 第6節 フィンランド
  2. フィンランド基礎データ|外務省
  3. (キッズ外務省)世界の消費税(付加価値税)の税率の高い国
  4. フィンランドのワーキングホリデービザ情報
  5. フィンランド国籍の家族向け査証と在留許可 - Suomi ulkomailla : Japani
  6. Au pair | Maahanmuuttovirasto
  7. 査証で季節労働に従事する場合 - Suomi ulkomailla : Japani
  8. 各種申請・サービス料金 - Suomi ulkomailla : Japani
  9. ヘルシンキの生活費
  10. 海外在留邦人数調査統計
  11. フィンランド:安全対策基礎データ

*最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



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